2011年4月 7日 (木)

背泳ぎが得意なマツモムシ

小石川植物園でマツモムシを見ました。

この虫を初めて見たのは去年住んでいた兵庫県の池でした。

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 これは、去年3月26日に兵庫県で撮ったものです。はじめ、アメンボか何かがひっくり返っているのかと思いました。しかし、じたばたしません。時々すいすい泳いでいます。写真の下が頭で目が写っています。針状の口、6本の足、どう見てもお腹が上を向いています。調べてみたら、カメムシの仲間の水生昆虫で、マツモムシということがわかりました。大きさは1.5cm弱位です。
 この虫は、間違えてひっくり返ったのではなく、水面で泳いだり浮いているときは、お腹を上に向けているのが普通なのです。ただ、飛び立つ時は、ひっくり返って背を上にするそうです。背泳ぎをする虫がいるとは驚きました。

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2009年11月 6日 (金)

橙色の翅をした赤とんぼ

そろそろ秋も終わり、寒くなってきましたね。赤とんぼの数もめっきり減りました。3日の甲山では、アキアカネ、マユタテアカネ、ミヤマアカネが、4日の武庫川では、マユタテアカネ、タイリクアカネが一匹ずつ見られただけでした。

さて、赤とんぼがいなくならないうちに、もう少しだけ、部分的にきれいなオレンジ色をした翅を持つ赤とんぼの話を・・・

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まずは、今年初見の赤とんぼです。

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ネキトンボ・・・10/9甲山にて
この赤とんぼは、お顔も胸も全身が真っ赤。ただし、胸には、黒く太い斜めの線が入り、腹部の下の面も黒いです。そして、翅の付け根が、濃いオレンジ色をしています。複眼の上部が赤く、なんとなく、色っぽいでしょ~。 といっても、この子はオスなのですけど。

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ネキトンボ・・・10/22甲山にて
別の日に行ったのですが、この子は、体が少し黒っぽくなっています。年配なのでしょうか。前足は、頭の後ろに折りたたまれているので、ご安心を。

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ネキトンボ・・・10/22甲山にて
上から撮影したかったのですが、高い手すりの上に止まるので、後ろから撮るのが精一杯でした。でも、翅の全体の様子がわかると思います。

実は、このトンボに初めて出会ったとき、春頃から見かける別のトンボと間違えていました。そのトンボとは・・・

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2009年10月26日 (月)

華やかな舞・・・武庫川にて

武庫川では、渡りの途中で、羽を休めているノビタキがいます。また、カモたちが渡ってきています。コガモをはじめ、ヒドリガモ、オカヨシガモなど。近くの昆陽池には、オナガガモ、キンクロハジロなどが来ていました。まだ、きれいな冬羽になっていないので、雌雄わかりづらいですね。

さて、秋の渡りは、鳥だけではありません。蝶も渡るものがいます。

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アサギマダラ・・・10/13武庫川にて
そうです、この浅黄色をした美しい蝶、アサギマダラです。ミズヒマワリという特定外来種に指定されている白い花に吸い寄せられています。

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アサギマダラ・・・10/13武庫川にて
ひらひらと、5匹くらいは舞っていました。毎年、アサギマダラを探すには、このミズヒマワリを探すと、必ずいるように思います。そして、この花は、他の蝶たちも引き寄せています。

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ヒメアカタテハとツマグロヒョウモン・・・10/13武庫川にて
花に止まっているのが、ヒメアカタテハ。この子に、突進して来るのは、ツマグロヒョウモンのオス。ヒメアカタテハは、譲っていました。
このように、このミズヒマワリは蝶たちに人気です。他に、キタテハやセセリチョウの仲間も来ていました。

さて、白く大きな翼を広げて、優雅に舞うのは、

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ダイサギ・・・10/13武庫川にて
河原では、常連さんのダイサギです。たたずんでいるときは、尾羽の存在を気にしたことがないのですが、ちゃんとあるのですね。開いた羽が美しいです~。

      ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

さて、また、今日から一週間、東京へ行ってきます。 義母や、両親の様子見です。
なを、お返事ができませんので、コメントを受け付けないことにしました。

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2009年10月21日 (水)

赤とんぼの代表-アキアカネ

再び、赤とんぼの話です。
河原でもアキアカネがあちらこちらに止まっています。秋になって、急に目立つようになりました。

アキアカネは、体長33~46mm。成熟すると腹部が赤化する。近畿地方では成虫の発生時期は6月中旬から12月上旬。分布は、北海道から九州まで。一年一世代型。羽化すると、山の頂上付近や渓流沿いに移動して、未熟期間を過ごし、秋に平地の田や池沼にやってきて、生殖活動をする。この大移動は、他の赤とんぼたちには見られず、アキアカネ独特のもののようだ。もちろん、他の赤とんぼも多少の移動はしているし、タイリクアカネにいたっては、移動ルートはなぞだそうです。
そういえば、昔々、夏休みに東北の2千メートル級の山を登っているとき、登山道が、足の踏み場もないほど赤とんぼで覆われていたのを思い出しました。実際、たくさんの赤とんぼが踏まれていたほどです。たぶん、アキアカネだったのでしょう。その頃は、名前も知りませんでした。

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アキアカネのオス・・・10/18武庫川にて
ロープの上で、様になりませんが、ちょうど、目線で撮影できました。腹部は真っ赤になっていますが、胸や顔は真っ赤にはなりません。時々、ふっと上空へ飛び上がったかと思うと、また、舞い降りてきて同じところへ止まります。よく見ると、小さな虫を捕まえて食べていました。

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アキアカネのメス・・・08’-10/1武庫川にて
これは、尾毛及び、産卵弁が確認できますので、女の子です。このように、腹部の上が赤くなる個体もいるようです。

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アキアカネの未熟オス・・・07’-8/12麦草峠にて
これは、長野県の標高2千メートル近くある峠で撮影したものです。まだ、赤くならず、若いオスです。

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アキアカネの未熟メス・・・07’-7/5武庫川にて
武庫川で、夏早い時期には、アキアカネに出会うこともあります。しかし、夏場は、見ることがなく、秋になるまで会えません。やはり、どこかへ移動しているのでしょうか。

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アキアカネの産卵・・・08’-8/12麦草峠にて
標高2千メートルある峠近くの小さな池で、連結打水産卵をしているアキアカネを見つけました。ここで疑問! 標高の高いところでも、生殖活動をしている? もしかしたら、ここにいるアキアカネは、平地から移動したのではなく、この池で生まれ育ったのかもしれない。移動しない子もいるのかな。

どこでも、見られたアキアカネ。近畿地方では、近年、減少しているそうです。特に阪神間(私が住んでいる地域)では、激減しているらしい。

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六甲山頂付近から見た我が家周辺
真ん中の左右に延びているのが武庫川です。私が、自然観察をしている一部が写っています。街中に点在する田んぼはかなり宅地化されてしまいました。まだ、小さい田んぼがほんの少し残っているのですが、写真からは、わかりませんね。建物が密集する大都会といった感じで、びっくりです。これでは、赤とんぼも居場所がないのがわかります。

余談で・・・

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2009年10月 6日 (火)

河原の赤とんぼ

最近雨ばかりですが、10月1日は晴れ。のんびり武庫川の河原散歩をしてきました。

アカトンボとは、分類上では、トンボ科アカネ属に属するトンボの総称だそうです。この中には、青いアカトンボがいます。一度は会ってみたいものです。今回出会ったアカトンボは、真っ赤に染まった次の3種でした。

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マユタテアカネのオス・・・10/1武庫川にて
まず出会ったのは、真っ赤に染まったマユタテアカネのオス。顔に大きな黒い斑が一対あり、尾部上付属器の先が上に反り返っているのが特徴です。連結飛翔しているもの、連結した状態で、打泥産卵をしているものなどが見られました。

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マユタテアカネのメス・・・10/1武庫川にて
上の写真は、マユタテアカネのメス。メスの翅は、2タイプあって、無色透明のものと写真のように翅の先端が褐色のものとがあります。この子もお顔に黒い斑がありました。メスは、赤とんぼのイメージではありませんね~。

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ミヤマアカネのオス・・・10/1武庫川にて
次は、ミヤマアカネのオスです。翅に帯状の褐色部分があるのが特徴です。翅脈やお顔まで赤くなっています。とても美しい赤とんぼです。

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タイリクアカネ・・・10/1武庫川にて
最後はタイリクアカネのオス。翅の基部と前縁が橙黄色しているのが特徴。この子はコンクリートの上が好きらしく、ちょっと驚かして飛んでも、また同じところへ戻ってきます。

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タイリクアカネのオス・・・10/1武庫川にて
真上から撮りたかったのですが、少し近い感じで撮れました。翅の色は見えにくいですね。

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タイリクアカネのオス・・・10/1武庫川にて
また、同じコンクリートの上に戻りました。この子の縄張りなのでしょう。真後ろからですが、翅の縁の色がきれいですね。

赤とんぼたちは、6月前後して成虫として出現してくるのですが、最初から赤いわけではありません。成熟して、だんだん赤くなるようです。しかも、未熟期は水辺から離れて林へ行ったり、山へ行ったりするものもあり、あまり見かけないのでしょうね。マユタテアカネは8月下旬から、他は10月ごろが最盛期で、成熟した赤い固体を水域で多く見かけるようになるようです。だから、赤とんぼは秋のイメージが強いのですね。
しかし、アカネ属ではないショウジョウトンボは、6月から8月が最盛期で、夏早くに真っ赤な姿を見せてくれます。分類上、アカトンボではありませんが、広い意味でアカトンボに含むこともあるようですね。また、アカトンボの狭い意味では、アキアカネをさすようです。
トンボを観察するようになる前は、赤とんぼは一種類だと思っていました。赤くなるトンボはたくさんいるのですね~。

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2009年8月25日 (火)

トンボの不思議な行動

トンボがハートの形を作って交尾をしているところを見かけることは多いと思います。私は、何の疑問も持たず、ただ、かわいい形だなって思っていました。
そんなある日、野鳥大好きさんのブログで、クイズが出されました。確か、「トンボの精子はどこで作られるか?」というような問題だったかな。
トンボのオスは、尾の先の付属器で、メスの頭か前胸をつかみ、メスは、オスの腹部弟2・3節にある副性器に尾部を結合させて、ハートの形が出来上がる。
(トンボの腹部は、胸側から第1節、第2節・・・と数え、尾端が第10節となる。)
なので、精子は、副性器で作られるものと思っていました。
ところが、違っていたのです。なんと、第9節で精子は作られていたのです!!
では、ハートの形は意味ないではないか・・・
実は、移精という行動が行われていたのです。オスは、あらかじめ、第9節で作られた精子を、副性器に移しておき、それから交尾をするのだそうです。
とても、新鮮な驚きでした~!

その驚いたときの記事を下記に紹介しておきますね。

札幌宮丘公園野鳥日記-野鳥大好きさんのトンボの記事
http://plaza.rakuten.co.jp/miyanooka/diary/200809260000/

さて、前置きが長くなりましたが、実際に、移精行動を観察することができたので、紹介します。突然だったので、焦点がうまく合わなかったのですが・・・

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セスジイトトンボ・・・6/4武庫川 
オスが飛んできたかと思ったら、突然メスの前胸をつかんで、葉の先端に飛んできました。

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セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
焦点が合わなかったのですが、安定できる茎の上に移動し、移精行動に入りました。青いほうがオスです。メスをつかんだまま、腹部第9節を第2・3節にある副性器に接合して精子を移しているところです。

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セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
あっという間の移精が終わり、ちょっと一息。

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セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
さあ、メスを持ち上げて、ハート作りです。

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セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
一度失敗して、やっとハートができました。これで無事にオスは精子をメスに受け渡すことができます。オスの仕事は、これで終わったわけではありません。この後、メスをつかんだまま、メスの産卵が終わるまで、見張りをしています。大変だね~。

この日は、他のトンボでも、不思議な行動が観察できました。

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コシアキトンボ・・・6/4武庫川
コシアキトンボのオスが、じっと花の先に止まっていました。

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コシアキトンボ・・・6/4武庫川
たまたま、しゃがみこんで下から撮影していたら、尾端を副性器につけました。まさしく、移精行動です。これも、すぐ終わってしまいました。

このように、トンボの移精行動には、2つのタイプがあるようです。上のセスジイトトンボのようにメスと連結してから、移精するのと、コシアキトンボのように単独であらかじめ移精をしておくタイプです。
この不思議な行動-移精は、ほかの昆虫では見られないそうだ。生き物の中で、このような行動をするのは、トンボのほかはクモぐらいだそうです。

面白い行動がいろいろあるのですね~。

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2009年6月11日 (木)

ホソミオツネントンボとクロイトトンボ

甲山の池で、水色がとても美しいイトトンボに出会いました。ホソミオツネントンボという初見のトンボでした。

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ホソミオツネントンボ・・・5/14甲山   (画像をクリックすると大きくなります)

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ホソミオツネントンボ・・・5/14甲山   (画像をクリックすると大きくなります)
目が真っ青で、体色も鮮やかな水色と黒い斑紋がはっきりしています。今まで見たことのあるイトトンボの中で、青い色がもっとも華やかな美しいトンボでした。
メスは見つかりませんでしたが、いつか見たいと思います。

〔 ホソミオツネントンボ 〕

学名Indolestes peregrinus
分類:トンボ目 アオイトトンボ科
分布:本州・四国・九州 (東北では限られた地域)
   追記・・・6/16 北海道にもわずかに生息しているそうです。
    野鳥大好きさん、ご教示ありがとうございました。
体長:34㎜~41㎜
特徴:春産卵し7~8月頃羽化して成虫となる。成虫のままで越冬。翌春成熟して体色が変わる。オスは、淡褐色から上の写真のような青い色に黒い斑紋。メスは、淡褐色から、少し青緑っぽい色に黒い斑紋。翅を閉じたとき前翅と後翅の縁紋が重なる。似たオツネントンボは縁紋がずれる。林に囲まれた、ヨシやガマなどが生える池沼などに生息する。

成虫で冬を越すトンボは、日本では、ホソミオツネントンボ、オツネントンボ、ホソミイトトンボの3種のみです。
林床の落ち葉の下などで越冬するそうですが、そんな様子を見てみたいです。

          ☆・。~*~。・☆・。~*~。・☆

さて、この日は、クロイトトンボも沢山飛んでいました。

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クロイトトンボ雄・・・5/14甲山     (画像をクリックすると大きくなります)
雄の成熟した個体。胸の辺りに、少し粉をふいています。

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クロイトトンボ未熟雄・・・5/14甲山  (画像をクリックすると大きくなります)
こちらは、まだ未熟な雄で、これから、胸や、尾の先のベージュの部分が青くなります。

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クロイトトンボ雌・・・5/14甲山     (画像をクリックすると大きくなります)
これは、メス。単独で止まっているメスはいなかったので、連結しているメスだけをアップしました。

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クロイトトンボ産卵・・・5/14甲山    (画像をクリックすると大きくなります)
連結して、タヌキモの仲間の茎に産卵しています。その周りを、隙あらば、メスを獲得しようと他のオスが飛び回っています。

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クロイトトンボ潜水産卵・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
前の写真のカップルは、次第に、雌が水の中へ。なんとなく、雌が沈められて気の毒と思っていたら、さらに、潜って、オスとともに潜水産卵していました。かなり長い時間潜っているので、呼吸はだいじょぶなのか心配になってしまうほどでした。

〔 クロイトトンボ 〕

学名Cercion calamorum
分類:トンボ目 イトトンボ科
分布:北海道~九州(北海道、東北では限られた地域)
体長:30㎜~33㎜
特徴:成虫は、5~9月頃まで見られ、水生植物のあるところなら、人工池でも良く見られる。オスは成熟すると青白い粉をふく。腹部第8節と9節が青く、第8節の青い部分は山形をしている。眼後紋小さく、後頭条なし。肩縫線上の黒条に淡色部なし。オスの尾部上付属器が下付属器より長くハの字に開く。

クロイトトンボが産卵をしている水草は、タヌキモの仲間です。

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ウトリクラリア・インフラータ・・・5/14甲山    (画像をクリックすると大きくなります)
タヌキモ科タヌキモ属の植物は、水中に捕虫嚢を持つ食虫植物です。
この池の看板には、タヌキモと書いてあるのですが、調べてみると、ここのはタヌキモと似ているけど、どこかが違う。やっと分かったのだが、甲山の池で、この時期咲いているのは、アメリカに分布するウトリクラリア・インフラータでした。花柄の途中に膨らんだ苞が輪生し、星型の浮きのように見えるのが特徴です。また、花の下唇弁?が三裂していました。
この外来種に押されて、在来のタヌキモの仲間は減ってしまったらしい。在来種は、真夏にいくらか咲くらしいので、また探したいと思います。

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2009年5月30日 (土)

透ける翅の蝶と別人に生まれ変わる蝶

まずは、透ける翅を持つ蝶・・・ウスバシロチョウの話です。
5月23日、京都美山へ行ったとき、川沿いの少し開けた明るいところで白い蝶がひらひらと優雅に舞っているのに気が付きました。双眼鏡で見ると、黒い筋がくっきり。アゲハチョウ科のウスバシロチョウでした。鳥のほうは声のみだったので、初見の蝶が嬉しくてカメラで追い掛け回しました。

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ウスバシロチョウ・・・5/23京都美山町 (画像をクリックすると大きくなります)
対岸の藤の花で、吸蜜をしています。遠くであちこちにひらひら・・・

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ウスバシロチョウ雄・・・5/23京都美山 (画像をクリックすると大きくなります)
よく見ると、こちら側にもひらひらいました。ヤブデマリの花で吸蜜しているのは雄です。雄は、かなり体が毛深いです。

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ウスバシロチョウ雄・・・5/23京都美山 (画像をクリックすると大きくなります)
翅の向こう側がぼんやり見えているのですが、分かりますか。重なっている下翅や、ヤブデマリの装飾花が薄っすら見えるでしょう。

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ウスバシロチョウ雌・・・5/23京都美山 (画像をクリックすると大きくなります)
こちらは、タニウツギの花で吸蜜中の雌です。体毛が少ないです。しかも、この雌は、腹部下端にスフラギスという構造物をつけています。

「スフラギス」ってなぁ~に?
上の写真で腹部下端の矢印で示されているところにある薄褐色の三角形をしたもの。sphragis(スフラギス)-交尾嚢または交尾付属物などと訳されています。これは、雄が交尾をした後に雌の生殖口を粘液で塞いだ構造物で、他の雄に交尾されないようにしたものだそうです。sphragisとはギリシャ語で封印という意味とか。このスフラギスは、ギフチョウなどでも見られ、アゲハチョウ科、タテハチョウ科で見られるらしい。
初めて見る現象なので、お腹にゴミをつけているのかと思っちゃいました。

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ウスバシロチョウ雌・・・5/23京都美山 (画像をクリックすると大きくなります)
翅を開いたところです。体毛が少ないことが分かります。こちらも、羽を透かして、ピンクの花が薄っすら見えてます。すりガラスのようですね。

      .....。......。......。.....。.....。......。......。.....。.....。......。......。.....。.....

次は、別人に生まれ変わる蝶-サカハチチョウの話です。
5/2に軽井沢で突然、散策道の土の上に見慣れない小さな蝶が現れました。大きさは、大き目のシジミチョウといった感じです。(開張-35~45㎜) オレンジ色の目立つこの子は春に出現するタテハチョウ科のサカハチチョウ春型でした。

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サカハチチョウ・・・5/2軽井沢     (画像をクリックすると大きくなります)
近寄れず、角度が悪いですが、裏翅の独特の網目模様と、縦に入った一本の線がわかります。図鑑でしか見たことのない初見の蝶にうきうきでした。

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サカハチチョウ春型・・・5/2軽井沢  (画像をクリックすると大きくなります)
近くに飛んできて、開けゴマ!開いてくれました。白っぽい線が、八の字の逆さまだから、この名がついたそうです。この子は、春型。いろいろ検索してみると、私の見たこの子は、いやにオレンジ色が強く、黒いところが少ないようです。多少、個体差があるのか、地域差なのでしょうか?
夏に生まれ変わる子は、黒地に白い八の字があり、オレンジ色はほとんどありません。まるで、別種のように見えるそうです。別人に生まれ変わった夏型も見てみたいです。

 追記 ・・・6/16
 サカハチョウについて図書館で調べてみました。保育社の原色日本蝶類図鑑によると、サカハチチョウの春型の雌に、上の写真のようなオレンジ色の強いタイプがたまに出現するそうです。雄やたいていの雌はzuccaさんのところで紹介されているような黒っぽい色をしているようです。地域差については分かりませんでした。

    .....・。・~☆~・。・.....・。・~☆~・。・.....・。・~☆~・。・.....

ウスバシロチョウとサカハチチョウの詳しい説明をされた記事を
zuccaさんのブログ「zuccaさんの備忘録」-2009年5月25日にのせていらっしゃいます。2つの蝶の特徴が分かるので、ぜひ、ご覧ください。

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2009年5月26日 (火)

スプリング・エフェメラル・・・花と蝶

間が空いてしまいましたが、GWの話をもう少し・・・

スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)と呼ばれる、花や、蝶に出会いました。信州の高原は、平地より一ヶ月ほど春が遅く訪れるようです。この言葉は、春の儚きものという意味で、春の妖精とも訳されています。

植物で言えば、春先に可憐な花をつけ、夏まで葉をつけて、あとは地上部が枯れ、地下茎などですごすもの。
蝶で言えば、年1回春のみ出現するもの。

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カタクリ・・・4/30戸隠          (画像をクリックすると大きくなります)
ユリ科の植物で、薄赤紫色の花を、下向きに咲かせます。ちょうど、春の妖精が目覚めたところでした。

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キクザキイチゲ・・・4/30戸隠      (画像をクリックすると大きくなります)
キンポウゲ科イチリンソウ属の植物で、淡紫青色から白い花を咲かせます。春の妖精たちは、お日様のほうへ向いてしまいました。

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コツバメ・・・4/30戸隠          (画像をクリックすると大きくなります)
チョウ目シジミチョウ科の小さな蝶です。学名に鉄色のという言葉が含まれています。その名の通り、金属的な渋い色で、光の当たり具合で、緑色にも見えます。まだ、寒い頃に現れるこの春の妖精は、防寒のためか毛深いです。開くと、内側は青く見えますが、飛ぶ意外は見えませんでした。ときどき、翅を閉じたまま横倒しになり、日光を浴びて体をあたためています。他の蝶のように翅を開いて日向ぼっこはしないようです。この蝶は、初見でした。

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ヤマエンゴサク・・・5/2軽井沢     (画像をクリックすると大きくなります)
ケシ科で青紫色の繊細で賑やかに花を咲かせます。この花も、春の妖精とよばれています。

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ミヤマセセリ・・・5/2軽井沢       (画像をクリックすると大きくなります)
チョウ目セセリチョウ科の小さな蝶です。この子も渋い色をしていますが、オレンジ色の斑点がちょっとキュートで春の妖精と呼ばれています。写真の個体は、上翅に白い帯があるので、メスです。雄には、白帯がありません。この蝶も初見でした。

春の妖精と呼ばれる蝶は、このほか、ツマキチョウ、ギフチョウなどが有名です。
また、植物のほうは、ムラサキケマン、ニリンソウ、フクジュソウ、セツブンソウなどいろいろあります。ただし、例外として、常緑のショウジョウバカマも春の妖精と呼ばれています。

        ~*~*~ さて、おまけで、~*~*~

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ニホンリス・・・5/2軽井沢        (画像をクリックすると大きくなります)
他のバーダーさんが教えてくれました。木を登っていくかわいいリス君です。別荘地内でもであったことがありますが、めったに会えません。久しぶりのリスに感激!

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2009年5月 1日 (金)

赤い虫たち

☆ 6日まで、不在ですが、自動更新しています。 ☆

春になると、いろいろな虫たちがどんどん出てきます。今回は、赤い色の虫たちを集めてみました。

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ベニコメツキ・・・4/23甲山       (画像をクリックすると大きくなります)

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ベニコメツキ・・・4/23甲山        (画像をクリックすると大きくなります)
鮮やかな赤い虫。カミキリムシの仲間か、ベニボタルかと思って調べてみると、コメツキムシの仲間のベニコメツキでした。触覚が櫛状になっています。これは、雄の特徴です。雌は、櫛状になっていません。大きさは、9~15㎜。日本全土に分布。活動期は6~8月。はて、少し、早い出現だったのかな。初見の虫でした。

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ベニシジミ・・・4/10武庫川       (画像をクリックすると大きくなります)

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ベニシジミ・・・4/23甲山         (画像をクリックすると大きくなります)

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ベニシジミ・・・4/23甲山         (画像をクリックすると大きくなります)
川原でよく見かけるようになりました。色合いや形、下翅の青い模様の有無などに違いが見られます。北海道から九州まで分布し、活動期は、4月、6~7月、9~10月。スイバなどを食草とする。成虫で越冬する。夏型の上翅は黒っぽくなる。

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ナナホシテントウ・・・4/10武庫川   (画像をクリックすると大きくなります)
お馴染みのテントウムシ。すぐ草の中へ潜ってしまいます。

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テントウムシ・・・4/15甲山       (画像をクリックすると大きくなります)
ニホシかと思ったら、こちらが、ただのテントウムシ。

赤い色を持った虫たち、もっともっといるのでしょう。

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