甲山の池で、水色がとても美しいイトトンボに出会いました。ホソミオツネントンボという初見のトンボでした。
ホソミオツネントンボ・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
ホソミオツネントンボ・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
目が真っ青で、体色も鮮やかな水色と黒い斑紋がはっきりしています。今まで見たことのあるイトトンボの中で、青い色がもっとも華やかな美しいトンボでした。
メスは見つかりませんでしたが、いつか見たいと思います。
〔 ホソミオツネントンボ 〕
学名:Indolestes peregrinus
分類:トンボ目 アオイトトンボ科
分布:本州・四国・九州 (東北では限られた地域)
★追記★・・・6/16 北海道にもわずかに生息しているそうです。
野鳥大好きさん、ご教示ありがとうございました。
体長:34㎜~41㎜
特徴:春産卵し7~8月頃羽化して成虫となる。成虫のままで越冬。翌春成熟して体色が変わる。オスは、淡褐色から上の写真のような青い色に黒い斑紋。メスは、淡褐色から、少し青緑っぽい色に黒い斑紋。翅を閉じたとき前翅と後翅の縁紋が重なる。似たオツネントンボは縁紋がずれる。林に囲まれた、ヨシやガマなどが生える池沼などに生息する。
成虫で冬を越すトンボは、日本では、ホソミオツネントンボ、オツネントンボ、ホソミイトトンボの3種のみです。
林床の落ち葉の下などで越冬するそうですが、そんな様子を見てみたいです。
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さて、この日は、クロイトトンボも沢山飛んでいました。
クロイトトンボ雄・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
雄の成熟した個体。胸の辺りに、少し粉をふいています。
クロイトトンボ未熟雄・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
こちらは、まだ未熟な雄で、これから、胸や、尾の先のベージュの部分が青くなります。
クロイトトンボ雌・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
これは、メス。単独で止まっているメスはいなかったので、連結しているメスだけをアップしました。
クロイトトンボ産卵・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
連結して、タヌキモの仲間の茎に産卵しています。その周りを、隙あらば、メスを獲得しようと他のオスが飛び回っています。
クロイトトンボ潜水産卵・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
前の写真のカップルは、次第に、雌が水の中へ。なんとなく、雌が沈められて気の毒と思っていたら、さらに、潜って、オスとともに潜水産卵していました。かなり長い時間潜っているので、呼吸はだいじょぶなのか心配になってしまうほどでした。
〔 クロイトトンボ 〕
学名:Cercion calamorum
分類:トンボ目 イトトンボ科
分布:北海道~九州(北海道、東北では限られた地域)
体長:30㎜~33㎜
特徴:成虫は、5~9月頃まで見られ、水生植物のあるところなら、人工池でも良く見られる。オスは成熟すると青白い粉をふく。腹部第8節と9節が青く、第8節の青い部分は山形をしている。眼後紋小さく、後頭条なし。肩縫線上の黒条に淡色部なし。オスの尾部上付属器が下付属器より長くハの字に開く。
クロイトトンボが産卵をしている水草は、タヌキモの仲間です。
ウトリクラリア・インフラータ・・・5/14甲山 (画像をクリックすると大きくなります)
タヌキモ科タヌキモ属の植物は、水中に捕虫嚢を持つ食虫植物です。
この池の看板には、タヌキモと書いてあるのですが、調べてみると、ここのはタヌキモと似ているけど、どこかが違う。やっと分かったのだが、甲山の池で、この時期咲いているのは、アメリカに分布するウトリクラリア・インフラータでした。花柄の途中に膨らんだ苞が輪生し、星型の浮きのように見えるのが特徴です。また、花の下唇弁?が三裂していました。
この外来種に押されて、在来のタヌキモの仲間は減ってしまったらしい。在来種は、真夏にいくらか咲くらしいので、また探したいと思います。