トンボの不思議な行動
トンボがハートの形を作って交尾をしているところを見かけることは多いと思います。私は、何の疑問も持たず、ただ、かわいい形だなって思っていました。
そんなある日、野鳥大好きさんのブログで、クイズが出されました。確か、「トンボの精子はどこで作られるか?」というような問題だったかな。
トンボのオスは、尾の先の付属器で、メスの頭か前胸をつかみ、メスは、オスの腹部弟2・3節にある副性器に尾部を結合させて、ハートの形が出来上がる。
(トンボの腹部は、胸側から第1節、第2節・・・と数え、尾端が第10節となる。)
なので、精子は、副性器で作られるものと思っていました。
ところが、違っていたのです。なんと、第9節で精子は作られていたのです!!
では、ハートの形は意味ないではないか・・・
実は、移精という行動が行われていたのです。オスは、あらかじめ、第9節で作られた精子を、副性器に移しておき、それから交尾をするのだそうです。
とても、新鮮な驚きでした~!
その驚いたときの記事を下記に紹介しておきますね。
札幌宮丘公園野鳥日記-野鳥大好きさんのトンボの記事
http://plaza.rakuten.co.jp/miyanooka/diary/200809260000/
さて、前置きが長くなりましたが、実際に、移精行動を観察することができたので、紹介します。突然だったので、焦点がうまく合わなかったのですが・・・
*画像をクリックすると拡大されます。
*元画面に戻るときは、ブラウザの戻るをクリックしてください。
セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
オスが飛んできたかと思ったら、突然メスの前胸をつかんで、葉の先端に飛んできました。
セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
焦点が合わなかったのですが、安定できる茎の上に移動し、移精行動に入りました。青いほうがオスです。メスをつかんだまま、腹部第9節を第2・3節にある副性器に接合して精子を移しているところです。
セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
あっという間の移精が終わり、ちょっと一息。
セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
さあ、メスを持ち上げて、ハート作りです。
セスジイトトンボ・・・6/4武庫川
一度失敗して、やっとハートができました。これで無事にオスは精子をメスに受け渡すことができます。オスの仕事は、これで終わったわけではありません。この後、メスをつかんだまま、メスの産卵が終わるまで、見張りをしています。大変だね~。
この日は、他のトンボでも、不思議な行動が観察できました。
コシアキトンボ・・・6/4武庫川
コシアキトンボのオスが、じっと花の先に止まっていました。
コシアキトンボ・・・6/4武庫川
たまたま、しゃがみこんで下から撮影していたら、尾端を副性器につけました。まさしく、移精行動です。これも、すぐ終わってしまいました。
このように、トンボの移精行動には、2つのタイプがあるようです。上のセスジイトトンボのようにメスと連結してから、移精するのと、コシアキトンボのように単独であらかじめ移精をしておくタイプです。
この不思議な行動-移精は、ほかの昆虫では見られないそうだ。生き物の中で、このような行動をするのは、トンボのほかはクモぐらいだそうです。
面白い行動がいろいろあるのですね~。
| 固定リンク
「昆虫」カテゴリの記事
- 背泳ぎが得意なマツモムシ(2011.04.07)
- 橙色の翅をした赤とんぼ(2009.11.06)
- 華やかな舞・・・武庫川にて(2009.10.26)
- 赤とんぼの代表-アキアカネ(2009.10.21)
- 河原の赤とんぼ(2009.10.06)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
トンボの交尾はよく見かけますね^^
そして産卵は連結型と単族でオスが
見張り役をしてする形と2種類あるみたい
ですね^^イトトンボの連結は
粘って旨い事撮りましたね^^
トンボは不思議だよね^^一度決めた場所は
脅かさなければ何度でも同じ場所に止まるからね^^
投稿: 明日はケロリ^^ | 2009年8月26日 (水) 04時58分
< 明日はケロリ^^さんへ >
コメントありがとうございます。いろいろ大変そうなのに、いつも元気をいただいています。
トンボは、見ていて飽きないです。ハートの形はとてもかわいいですね。タンデム飛行や産卵など、さまざまな様子を見せてくれます。子供の頃は、あまり、興味がなかったのですが、今になって、楽しんでいます。
連結は期待して、待っていたわけではなかったのです。あまりに突然であわてました。トンボさん、すばやかったですね。お相手を吟味している余裕なんてないかのようでした。
そうですね~。トンボは、同じところへ再び止まりますね。今日は、リスアカネに気がつかず、飛ばしてしまったのですが、じっとしていたら、また、戻ってきました。
今日は、鳥さんが少なくて、珍しくもないトンボを追いかけてました。止まってくれないトンボは写真になりませんでしたけど・・・
投稿: ジュリジュリ | 2009年8月26日 (水) 17時55分
こんばんは!
>トンボの移精行動
初めて聞きました。
いつもトンボの愛のハートリング
って綺麗やな~って感じで写してたぐらいで・・・
色んな行動があるんですね!
投稿: 自然薯 | 2009年8月26日 (水) 23時18分
あら~不思議な世界~ビックリ!
だと思っていました。
ハート型や連結してるだけで、
そんなに神秘的だったのですねぇ
今度機会があったら良く見てみよう~
投稿: orenge | 2009年8月27日 (木) 01時27分
いやー、リンクまで貼って下さり、有難うございます。
良いシーンをご覧になられましたねえ。そしてナイスショットだなあー、すごーい。ぱちぱちぱちっ。
近畿のトンボ図鑑、いままで出て居た、北海道、沖縄、四国よりもずっと良くなっています、進化しています。あの図鑑の最高峰かもしれません。
リンク本当に有難うございました、ぺこっ。
投稿: 野鳥大好き | 2009年8月28日 (金) 11時59分
< 自然薯さんへ >
コメントありがとうございました。お返事遅くなってすいません。
私もハートのリングは、何の疑問も持たず、素敵だなって眺めてました。
移精という行動があって、ハートの形が成り立つことを知って、驚きました。同じ方向を向いたまま連結できるので、飛び回ることができて、産卵も連結したまま可能です。面倒なようでもトンボにとっては必要な行為だったのでしょうね。
面白いことがいろいろありますね~。
< orengeさんへ >
コメントありがとうございました。お返事遅くなってすいません。
面白いでしょう~。私も、このことを知って驚きました。
ハートの形に何の疑問も持たなかったですから。
すごい仕組みを考える?考えたわけではないでしょうが、独自の形に進化して来たことに面白さを感じます。
ぜひ、トンボの行動を観察してみてください。運がよければ見られると思いますよ。
投稿: ジュリジュリ | 2009年8月28日 (金) 12時13分
< 野鳥大好きさんへ >
こんにちは!
これは、野鳥大好きさんのクイズで教えていただいて、ものすご~く新鮮な驚きでした。
この不思議な行動を見ることができると思っていませんでしたが、ラッキーなことに、同じ日に、2つのタイプの行動を観察することができました。
写真は、焦点が合わず残念でしたが、知っていたからこそ、目の前の行動がなんであるかがわかったのです。野鳥大好きさんのおかげです。ありがとうございました。
図鑑は、前から紹介してくださっていたので、近畿版が待ち遠しかったのです。中身を見て、すぐほしくなりました。写真もきれいだし、内容がなかなか詳しくて気に入りました。大いに役立ちそうです。教えてくださって、ありがとうございました。
投稿: ジュリジュリ | 2009年8月28日 (金) 12時32分
セスジイトトンボはなかなか同定できませんでした。
でも,肩黒条に細線があることに気づきました。
しかも,その細線は斜めに切れていることを発見しました。
コシアキトンボは縄張り確保にしょっちゅう飛び回っていてなかなか写せませんでした。
投稿: itotonbosan | 2014年2月15日 (土) 16時19分
< itotonbosanさんへ >
お返事遅くなりました。
同定は難しいです。
眼後紋や、胸部の黒条、さらに、尾部付属器などの形をチェックしないといけませんね。黒条については、個体差があるようで、中の淡色条がない固体もあるとか。
分かりにくい固体はずっと宿題です。
投稿: ジュリジュリ | 2014年2月27日 (木) 10時13分